- 屋根カバー工法はどんな手順で施工するの?
- 屋根カバー工法ができる屋根は?
- 施工費用はどれくらいかかる?
このようなお悩みを抱えている方のために、屋根カバー工法の施工方法を解説します。
屋根カバー工法についてよく知らない方も多いと思います。
ぜひこの記事を読んで、屋根カバー工法が行える屋根材や施工方法を知っていきましょう。
屋根カバー工法の手順は主に7工程
屋根カバー工法は主に7工程に分けることができます。
では、項目ごとに詳しく解説してるので見ていきましょう。
足場仮設
まずはじめに約1日かけて足場を組み立てていきます。
施工中は釘や金属片がたくさん飛散するためメッシュ製の養生シートを四方に張っていきます。
足場は軒先から50㎝先に足場のパイプを立てるので、軒先から50㎝手前には植木鉢などを置かないように注意しましょう。
足場仮設は、職人や近隣住民などの安全を確保するためにも大切な工程です。
屋根の棟板金や雪止めを撤去
屋根の棟に取り付けられている板金やその下地、雪止めを半日ほどかけて取り外していきます。
雪止めを取り外す際、切断時の鉄粉が車に付着するともらい錆びが起きることがあります。
そのため、お客様の車に鉄粉が付着しないようにシートをかけて作業する会社もあります。
屋根を完全にフラットな状態にした後に新しいルーフィングシートを敷き詰めていきます。
新しいルーフィングシートを設置
半日から1日かけて屋根の軒先から棟にかけて新しいルーフィングシートを設置していきます。
ルーフィングシートとは屋根からの雨漏りを防ぐ防水シートのことです。
ルーフィングシートは20種類以上ありますが、シートを選ぶときは高品質かつ古い屋根に適合する商品を選ぶことが大切です。
ルーフィングシートも日々劣化していくので、新しいシートを設置して雨漏りを防いでいきます。
軒先・ケラバに板金を設置
1日ほどかけて屋根の外周に幅10㎝〜20㎝程度の板金部材を設置していきます。
軒先やケラバに設置する板金部材は雨水を雨樋に送る役割があります。
この板金部材には屋根本体と規格が合うメーカーの純正品を使用することが重要です。
規格適合品でない板金部材を使用したことで屋根がはがれるなどの不具合が発生することもあります。
新しい屋根材を葺いていく
2日から3日かけて新しい屋根材を葺いていきます。ルーフィングシートと同じように屋根の軒先から棟にかけて葺いていきます。
屋根の張り方は屋根材によって異なります。強風が吹きやすい地域では、屋根と屋根のつなぎ目部分を引っかけ合わせるかん合式の屋根材がオススメです。
また屋根の固定には釘やビスを使用します。この固定方法によっては耐風性能が向上する方法もあります。
棟板金を設置
1日ほどかけて新しい屋根材の上に棟板金を設置していきます。
棟板金の下地には木板、樹脂製、ガルバリウムがあります。近年よく用いられているのは樹脂製の下地です。腐食しないため木板よりも不具合が出にくく、棟板金を長持ちさせることができます。
また、新しい屋根材の上に新しい雪止めも設置していきます。
足場解体
1日ほどかけて組み立てた足場を解体していきます。
また、周囲を清掃して施工は終了です。
屋根カバー工事にかかるおおよその期間
屋根の大きさや形状によって前後しますが、屋根カバー工事にかかる期間は約10日です。
屋根カバー工事は既存の屋根を撤去しないため大掛かりな工事が必要ありません。
そのため工事期間が短くなります。
屋根カバー工法にかかる費用・金額の相場
屋根カバー工法にかかる費用の相場は80万円〜150万円となっています。
屋根の大きさや形状、屋根材のグレードによって屋根カバー工法にかかる費用は変わってきます。
屋根カバー工法ができる屋根材とできない屋根材
屋根カバー工法ができる屋根材には、金属屋根やアスファルトシングル屋根、スレート屋根があります。
これらの屋根材は、凹凸が少なく屋根材自体も軽いため屋根カバー工法ができる屋根とされています。
反対に屋根カバー工法ができない屋根材は、瓦です。
瓦は波立っている形状と建物が屋根の重さに耐えられないため、屋根カバー工法には適していない屋根材とされています。
屋根カバー工法にオススメ屋根材
屋根カバー工法にオススメの屋根材はどのようなものがあるのでしょうか?
屋根カバー工法に使用される屋根材の中からオススメの屋根材を3つご紹介します。
スーパーガルテクト/アイジー工業
※アイジー工業様ホームページより引用
ガルバリウム鋼板よりも耐久性に優れたエスジーエル鋼板が使用された屋根材です。
他社メーカーの金属屋根と比較しても優れている点が多いため、人気の高い屋根材です。
ヒランビー/稲垣商事
※稲垣商事様ホームページより引用
ガルバリウム鋼板が使用された金属屋根です。
遮熱性や耐候性が高く、傷が付きにくい特徴を持っています。
またカラーバリエーションが豊富なので見た目にもこだわりたい方におすすめです。
オークリッジスーパー/オーウェンスコーニングジャパン
※オーウェンスコーニングジャパン様ホームページより引用
アスファルトシングルが使用された屋根材です。
アスファルトシングルが持つ素材の柔らかさや耐久性、耐藻性に優れています。
屋根材が柔らかく加工がしやすいため、屋根の形状が複雑な建物に使用されることが多いです。
・オークリッジスーパー/オーウェンスコーニングジャパン[外部リンク]
他のオススメの屋根材を知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
一都三県の屋根修理業者一覧
屋根カバー工法の施工手順を検索した人にオススメの記事一覧
屋根カバー工法の耐用年数
屋根カバー工法の耐用年数は約20年〜30年です。
葺き替え工事であっても屋根カバー工法と同様の耐用年数ですが、使用する屋根材やメンテナンスの頻度などによって変化します。
適切な頻度でメンテナンスを行うことで屋根材を長持ちさせることができ、不具合を早期に発見することで補修費用を抑える事にもつながります。
屋根カバー工法のメリットとデメリット
屋根カバー工法のメリットには、屋根の断熱性、防音性、防水性の向上があります。
新しい屋根材を被せるため断熱性が高くなり、室内の冷暖房効率が上がります。
反対に屋根カバー工法のデメリットには、屋根の重量が増えるがあります。
屋根カバー工法は既存の屋根に新しい屋根材を被せるため、軽い屋根材を使用しても屋根の重量は増えます。
そのため、屋根が重くなるほど建物への負荷が大きくなり耐震性の低下にもつながります。
屋根カバー工法と葺き替え工事はどちらがオススメ?
屋根カバー工法と葺き替え工事は、屋根カバー工法ができる方は基本的に屋根カバー工法がオススメです。
屋根カバー工法ができる方とは
- 屋根カバー工法を行ったことがない
- 屋根の下地が劣化していない
などの条件に当てはまる方です。
屋根カバー工法は葺き替え工事よりも施工費用を抑えることができ、屋根の断熱性が上がるなどのメリットが多い施工方法です。
より詳しく知りたい方は以下の記事を読んでみてください。
屋根カバー工法に火災保険は適用されるのか
結論から言うと、条件を満たせば火災保険を利用して屋根カバー工法を行うことができます。
火災保険が適用される条件には
- 風災、雪災、雹災などの自然災害として認定される
- 自然災害による被害を受けてから3年以内である
があります。
しかし屋根カバー工法の工法上、火災保険が適用されない可能性が高いのも事実です。
被害を受けた範囲が広範囲であれば屋根カバー工法に火災保険を適用されやすいですが、被害を受けた範囲が狭い場合は適用されにくくなります。
屋根カバー工法に火災保険は適用されるのかもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
後悔しない屋根カバー工法をするポイント
屋根カバー工法で後悔しないためのポイントには、
- 屋根の下地の状態を確認
- 太陽光パネルを設置している場合はよく確認
- 外壁工事も同時に行う
などが挙げられます。
この中で特に重要なのが、屋根の下地の状態を確認してから施工することです。屋根の下地が傷んでいない状態で屋根カバー工法を行うことで、強風などで屋根材がはがれるなどのトラブルを防ぎやすくなります。
以下の記事では、屋根カバー工法でよくある失敗も解説しているので参考にしてみてください。
屋根カバー工法で雨漏りは直せるのか
結論、屋根カバー工法で雨漏りを直すことができます。
屋根から起きる雨漏りの原因には、
- 屋根材の劣化
- 屋根材の下の防水シートの劣化
- 棟瓦や棟板金の劣化や破損
などがあります。
屋根カバー工法は既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せます。劣化した屋根材を新しくすることができるので、雨漏りを直すことができます。
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