- 屋根カバー工法で使用する屋根材はどういうものがあるの?
- 屋根カバー工法にオススメの屋根材は?
- 屋根材の費用の相場はどれくらい?
このようなお悩みを抱えている方のために、屋根カバー工法で使用する屋根材のオススメと屋根材の費用相場を解説します。
たくさんある屋根材の中で屋根カバー工法に使用する屋根材はどんなものがあるのか分からないという方もいると思います。
ぜひこの記事を読んで、屋根カバー工法に適した屋根材と費用の相場を知っていきましょう。
屋根カバー工法に利用できる屋根材とは?
屋根カバー工法に利用できる屋根材は、主に金属屋根、アスファルトシングル屋根、軽量瓦の3種類です。
項目ごとに詳しく解説しているので見ていきましょう。
金属屋根
金属屋根は耐久年数が長く、耐震性が高いなどの強みがある屋根材です。
そのなかでも、エスジーエル鋼板やガルバリウム鋼板といった種類があります。
また、同じ金属屋根であっても「断熱材一体型」と「断熱材がない金属だけの屋根」の2種類があり、断熱性や遮音性も変わってきます。
㎡あたり6,000~8,000円程度が相場となっており、耐用年数は25年~40年程度とされています。
金属屋根のメリットは他の屋根材よりも重量が軽く耐震性に優れていることが挙げられます。
しかしデメリットには金属という素材から遮音性や断熱性が劣っているため雨音が気になりやすい点があります。
このようなデメリットがある金属屋根ですが、遮音性を高めた商品が発売されるなどデメリットを解消した商品も販売されています。
アスファルトシングル屋根
アスファルトシングル屋根とは、アスファルトをガラス繊維でコーティングし砂粒で表面を着色している屋根材です。
軽量で加工しやすいという特徴があり、耐水性に優れています。
㎡あたり3,000~8,000円程度が相場となっており、耐用年数は30~40年程度とされています。
アスファルトシングル屋根のメリットは価格が安く、加工がしやすいことが挙げられます。
しかしデメリットには耐風性が低く劣化しやすい点があります。
ですが加工がしやすくデザイン性が高いので、複雑な屋根の形状に施工したい方にオススメの屋根材です。
一部の軽量瓦(屋根カバー工法対応のもの)
軽量瓦とは、陶器製の瓦よりも軽く、耐久性や防災性が高い特徴をもつ屋根材です。
陶器製の瓦よりも10〜30%程度軽い瓦を軽量瓦とよんでいます。
そのため、軽量瓦であっても屋根カバー工法に対応している屋根材を選ぶ必要があります。
㎡あたり9,000~20,000円程度が単価となっており、耐用年数は30年程度とされています。
軽量瓦のメリットは防災に優れており、防水性が高いことが挙げられます。
しかしデメリットには修理費用が高額、建物自体の補強の必要性があります。
軽量瓦は他の屋根材よりも重いため、建物自体が屋根の重さに耐えられる強度が必要になる点には注意が必要です。
屋根カバー工法で使用する材料・屋根材のオススメ7選
屋根カバー工法にオススメの材料はどのようなものがあるのでしょうか?
屋根カバー工法で使用する屋根材のオススメを7つ選んでみたので、次の項目でそれぞれ解説していきます。
スーパーガルテクト/アイジー工業
※アイジー工業様ホームページより引用
スーパーガルテクトは金属屋根材で、エスジーエル鋼板が使用されています。
断熱材一体型の屋根材であり、断熱性や耐久性に優れています。
他社メーカーの金属屋根と比較しても、多くの点で優れているため人気のある屋根材です。
横暖ルーフ/ニチハ株式会社
※ニチハ株式会社様ホームページより引用
横暖ルーフは金属屋根材で、ガルバリウム鋼板が使用されています。
断熱性や耐候性が高く、保証期間が長いです。
横暖ルーフは粘土瓦の10分の1ほどの重さなので、軽量であり屋根カバー工法にオススメの屋根材です。
ヒランビー/稲垣商事
※稲垣商事様ホームページより引用
ヒランビーは金属屋根で、ガルバリウム鋼板が使用されています。
遮熱性や耐候性が高く、傷がつきにくい機能性の高いカラー鋼板です。
カラーバリエーションが豊富でサビに強い特徴を持っています。
ディーズルーフィング/株式会社ディートレーディング
※株式会社ディートレーディング様ホームページより引用(写真はディーズルーフィング ディプロマットスター)
ディーズルーフィングは金属屋根で、ジンカリウム鋼板が使用されています。
陶器製の瓦に比べて約7分の1の軽さが特徴です。
セラミックコーティングを施した自然石粒を屋根の表面に接着しているので、メンテナンスフリーで長期的に美観を維持することもできます。
・ディーズルーフィング/株式会社ディートレーディング[外部リンク]
スカイメタルルーフ/伊藤忠建材株式会社
※伊藤忠建材株式会社様ホームページより引用
スカイメタルルーフは金属屋根で、ジンカリウム鋼板が使用されています。
サビに強い鋼板を基盤とし、その上に天然素材であるストーンチップの層が作られています。
耐久性や強度が高く、軽量である点もポイントです。
オークリッジスーパー/オーウェンスコーニングジャパン
※オーウェンスコーニングジャパン様ホームページより引用
オークリッジスーパーはアスファルトシングル屋根です。
アスファルトシングルならではの素材の柔らかさや耐久性、オークリッジスーパーのもつ耐藻性が優れています。
別荘やコテージなどの凝った作りの建物に使用されることが多い屋根材です。
・オークリッジスーパー/オーウェンスコーニングジャパン[外部リンク]
ルーガ 雅/ケイミュー株式会社
※ケイミュー株式会社様ホームページより引用
ルーガ雅は軽量瓦で、セメントを原料にしています。
瓦本来が持つ重厚感はそのままに重量は2分の1以下になっています。
強い衝撃でも割れにくく、不燃材料認定も取得しているので燃えにくい特徴を持っています。
屋根カバー工法で使用する材料・屋根材ごとの修理費用相場
屋根カバー工法で使用する屋根材ごとの修理費用相場はどのぐらいなのでしょうか?
ガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板などの金属屋根を使用した場合、㎡あたりは6,000円~14,000円程度となっており、修理費用は約75万円~200万円となっています。
アスファルトシングル屋根を使用した場合、㎡あたりは3,000~8,000円程度となっており、修理費用は約60万円~80万円程度が相場となっています。
軽量瓦を使用した場合、㎡あたりは9,000~20,000円程度となっており、修理費用は約80万円~120万円程度となっています。
使用する屋根材によって修理費用に差がでます。また屋根の大きさや形状によっても修理費用は変わってきます。
屋根材と修理費用をわかりやすくまとめましたので、参考にしてみてください。
素材 | 屋根材名 | ㎡あたりの単価 | 修理費用 |
金属屋根(エスジーエル鋼板) | スーパーガルテクト | 6,000円~8,000円程度 | 約100万円~200万円程度 |
金属屋根(ガルバリウム鋼板) | 横暖ルーフ | 8,000円程度 | 約75~105万円程度 |
金属屋根(ガルバリウム鋼板) | ヒランビー | 7,000円程度 | 約75~105万円程度 |
金属屋根(ジンカリウム鋼板) | ディーズルーフィング | 8,000円~14,000円程度 | 約75~105万円程度 |
金属屋根(ジンカリウム鋼板) | スカイメタルルーフ | 8,500円程度 | 約75~105万円程度 |
アスファルトシングル屋根 | オークリッジスーパー | 5,000円~8,000円程度 | 約60万円~80万円程度 |
軽量瓦 | ルーガ 雅 | 9,000円~20,000円程度 | 約80万円~120万円程度 |
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屋根カバー工法の耐用年数
屋根カバー工法の耐用年数は約20年〜30年です。
葺き替え工事であっても屋根カバー工法と同様の耐用年数ですが、使用する屋根材やメンテナンスの頻度などによって変化します。
適切な頻度でメンテナンスを行うことで屋根材を長持ちさせることができ、不具合を早期に発見することで補修費用を抑える事にもつながります。
屋根カバー工法ができる屋根材とできない屋根材
屋根カバー工法ができる屋根材には、金属屋根やアスファルトシングル屋根、スレート屋根があります。
これらの屋根材は、凹凸が少なく屋根材自体も軽いため屋根カバー工法ができる屋根とされています。
反対に屋根カバー工法ができない屋根材は、瓦です。
瓦は波立っている形状と建物が屋根の重さに耐えられないため、屋根カバー工法には適していない屋根材とされています。
屋根カバー工法のメリットとデメリット
屋根カバー工法のメリットには、屋根の断熱性、防音性、防水性の向上があります。
新しい屋根材を被せるため断熱性が高くなり、室内の冷暖房効率が上がります。
反対に屋根カバー工法のデメリットには、屋根の重量が増えるがあります。
屋根カバー工法は既存の屋根に新しい屋根材を被せるため、軽い屋根材を使用しても屋根の重量は増えます。
そのため、屋根が重くなるほど建物への負荷が大きくなり耐震性の低下にもつながります。
屋根カバー工法と葺き替え工事はどちらがオススメ?
屋根カバー工法と葺き替え工事は、屋根カバー工法ができる方は基本的に屋根カバー工法がオススメです。
屋根カバー工法ができる方とは
- 屋根カバー工法を行ったことがない
- 屋根の下地が劣化していない
などの条件に当てはまる方です。
屋根カバー工法は葺き替え工事よりも施工費用を抑えることができ、屋根の断熱性が上がるなどのメリットが多い施工方法です。
より詳しく知りたい方は以下の記事を読んでみてください。
屋根カバー工法に火災保険は適用されるのか
結論から言うと、条件を満たせば火災保険を利用して屋根カバー工法を行うことができます。
火災保険が適用される条件には
- 風災、雪災、雹災などの自然災害として認定される
- 自然災害による被害を受けてから3年以内である
があります。
しかし屋根カバー工法の工法上、火災保険が適用されない可能性が高いのも事実です。
被害を受けた範囲が広範囲であれば屋根カバー工法に火災保険を適用されやすいですが、被害を受けた範囲が狭い場合は適用されにくくなります。
屋根カバー工法に火災保険は適用されるのかもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
後悔しない屋根カバー工法をするポイント
屋根カバー工法で後悔しないためのポイントには、
- 屋根の下地の状態を確認
- 太陽光パネルを設置している場合はよく確認
- 外壁工事も同時に行う
などが挙げられます。
この中で特に重要なのが、屋根の下地の状態を確認してから施工することです。屋根の下地が傷んでいない状態で屋根カバー工法を行うことで、強風などで屋根材がはがれるなどのトラブルを防ぎやすくなります。
以下の記事では、屋根カバー工法でよくある失敗も解説しているので参考にしてみてください。
屋根カバー工法で雨漏りは直せるのか
結論、屋根カバー工法で雨漏りを直すことができます。
屋根から起きる雨漏りの原因には、
- 屋根材の劣化
- 屋根材の下の防水シートの劣化
- 棟瓦や棟板金の劣化や破損
などがあります。
屋根カバー工法は既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せます。劣化した屋根材を新しくすることができるので、雨漏りを直すことができます。
屋根カバー工法の施工方法・流れについて
屋根カバー工法の流れについて解説します。
今回は屋根カバー工法で使用されることの多いガルバリウム鋼板を例にご紹介します。
棟に取り付けられている板金や棟板金の下地、雪止めなどを取り外して屋根をフラットな状態にしていきます。
屋根の軒先から棟に目がけて防水シートを敷き詰めていきます。
防水シートは屋根からの雨漏りを防ぐ重要なシートです。
古い屋根に使用できる防水シートが限定されている場合があるので注意が必要です。
軒先や屋根がせり出している部分に板金を取り付けていきます。
この板金を取り付けることによって雨水の排水が上手く機能し、雨漏りを防ぐ役割を持ちます。
新しい屋根材を取り付けていきます。
雨漏りを防ぐために、防水シートを敷くときと同じように屋根の軒先から棟にかけて屋根材を設置していきます。
新しい屋根を取り付けたら棟板金を設置していきます。
その後、屋根の上に取り付ける雪止めなどを設置して施工は終了です。
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