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毎年屋根修理の飛び込み訪問営業でトラブルが絶えない
独立行政法人国民生活センターに相談された、訪問販売によるリフォーム工事にかかわる相談件数はここ数年間毎年増加しています。
特に2023年は増加傾向にある去年度よりもさらに多いスピードで相談件数が増えており、このままでは昨年を上回る事が予想されています。
年度 | リフォーム工事の訪問販売の相談件数 |
---|---|
2023年度 | 1,238件(前年同期 991件) |
2022年度 | 10,076件 |
2021年度 | 9,753件 |
2020年度 | 8,786件 |
最近ではポスターや各自治体のHPでも訪問販売の注意喚起を促す活動を活発に行っていますが、現状は訪問販売によるトラブルはむしろ増えているように見えます。
こうしたトラブルを回避するためには自分自身だけではなく、自分の家族や友人にも積極的に訪問販売を利用しないよう啓発していく事が大切なように感じます。
飛び込み業者の行政処分は非常に多い
消費者庁が管理する特定商取引法ガイドというサイトでは、年度ごとに行政処分を行った事業者名や違反の内容、処分内容の詳細を掲載しています。
2023年度のリフォーム関連で行われた行政処分は2023年9月時点で既に74件発生しており、その全てが訪問販売業者に対する行政処分です。
リフォーム工事の飛び込み営業の訪問販売業者がすべて悪い業者かというとそれは分かりません。
もしかしたら正しい営業を行っている企業もあるのかもしれません。
しかし、現実にはリフォーム会社で行政処分を受けているほぼ全ての企業は訪問販売による営業活動を行っている事からも、訪問販売系のリフォーム業者は悪徳業者や違法業者が多いというのは間違いありません。
これを見た皆さまもこういった事実をしっかり覚え、いざ訪問販売が来た時にしっかり断るという事が、トラブルを避ける一番の防御策になるという事を思い出してください。
実際に行政処分を受けた悪質な営業を行うリフォーム業者
実は、屋根修理やリフォームで行政処分を受けた事業所はインターネットから調べる事ができます。
消費者庁の管理する特定商取引法ガイドというサイトで、行政処分を受けた業者を検索可能です。
ただ注意して頂きたいのは、ここに記載されているからと言って詐欺業者とは限らないという点です。
現在は業務内容を改善して健全な営業活動を行っている業者もあります。
あくまでも一つの情報の参考として利用してみて下さい。
巧妙な屋根修理の訪問営業の手口!4選
屋根修理の訪問業者は自分たち怪しいという事を自覚しているため、その怪しさを払拭するためにあの手この手を使って巧妙に消費者の皆さんに取り入ろうとします。
訪問業者の巧妙な手法はいくつかありますが、ここでは良く屋根修理訪問業者が利用する手口を4つご紹介します。
屋根の棟板金が浮いていますよ
棟板金というのは屋根のてっぺんについている金属の板金です。
棟板金の破損なんて通常下からでは確認できない事がほとんどなのですが、
棟板金が剥がれて落ちそうなので早めに直した方が良い。
早く対応しないと手遅れになる。
などと言って、棟板金が壊れているとお客さんの不安を煽って契約を迫る手口があります。
もしこのトークをされたのに、見えにくくて下から棟板金の破損が確認できないという場合、その訪問業者の言っている事はほぼ嘘です。
信用してはいけません。
ある事ない事言って必要以上にお客さんの不安を煽る手法は非常に悪質で当然行政処分の対象です。
もしこの手口に遭遇した場合は絶対に契約してはいけません。
たまたま近くで工事をしていて見えたんです
たまたま近くで工事していて屋根の上に居たので、この家の屋根が壊れているのが見えたんです
と言って訪問してくる訪問業者も居ます。
一見親切心で教えてくれているのかと勘違いしてしまいますが、実はこれも訪問営業の常套句なので、安易に信用してはいけません。
実は工事をしているのは嘘で安心させるための手口である可能性があります。
この手口に遭遇した場合は会社名、担当者名、工事を行っている場所の住所をしっかり確認し、その場で契約をしないように注意しましょう。
無料で屋根の上点検しましょうか
ちょうど機材があるので無料点検しましょうか?
屋根の破損を教えたタイミングで無料点検に誘導してくる訪問業者も居ます。
無料点検と聞くと有難いサービスだと感じてしまうかもしれませんが、屋根修理の訪問業者を絶対に屋根の上に登らせてはいけません!
お客さんが見えない所で屋根をわざと壊している可能性があります。
実際にこの手口で不自然に折れ曲がった屋根や棟板金が沢山あります。
しかしお客さんは実際に訪問業者がやったことを証明できないので泣き寝入りするしかありません。最悪の状況です。
もし仮に本当に屋根が破損していたとしても訪問業者を屋根の上に登らせるのはNGです。
ネットや紹介などで信頼できる業者を探すようにして下さい。
被害を伝えるだけで営業をかけてこない
屋根について壊れている事を指摘し不安を煽っておきながら、契約の話など具体的なアクションを一切起こさない訪問業者も居ます。
この手の訪問業者は非常に狡猾です。
お客さんから「お宅で直せるのか?」と先に言わせることで気持ちとしてお客さんを安心させながらキャンセルしにくい心理状態を作っているのです!
まるで詐欺師のようなやり方。
とにかく訪問業者とは契約の話をしない事が大切です。
もしかしていい人なのかも…?
そう思わせる話術や見た目をしているので、今でもまだ訪問業者に騙されて契約してしまう方が大勢いるという事を思い出してみて下さい。
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実際に起きた屋根修理の飛び込み営業によるトラブルまとめ
実際に訪問販売業者に屋根リフォーム工事をお願いするとどうなるのか、ここでは訪問業者と屋根工事の契約をした際の代表的なトラブルについてまとめて紹介します。
①手抜き工事(後日発覚)
訪問販売業者にリフォーム工事をお願いすることで一番悪質なのが、手抜き工事です。
手抜き工事は実際に工事をされたとしてもすぐには発見しにくく、数年後に大きなトラブルとなってその際に発覚することが多いです。
また気付いたときには手遅れで、その会社が解散している場合がほとんど。
こうなると泣き寝入りするしかなく、大切な建物が傷つくのはもちろん、余計な工事費を払って再度工事を行わなくてはいけません。
特に、
- ホームページで施工実績を公開していない会社
- そもそもホームページが無く、いつでも解散できるような状態の会社
などはとても怪しいと言えます。
注意してください。
②クーリングオフに応じてくれない
高齢の方の家に急に訪問しその場で契約書をまとめ、後日「やはり契約をキャンセルしたい」と伝えても解約に応じてくれない業者も居ます。
現在ではクーリングオフ制度という消費者の不利にならないよう契約を無条件で解約できる制度も整備されているにも関わらず、
- そんな一方的な解約には応じられない
- クーリングオフ制度の期間は過ぎているので対象外
- すでに工事を準備しているので解約はできない
などと一方的な理由を付けて、契約を解約させないようにしてきます。
クーリングオフ制度は書面交付から8日間であれば無条件で契約を解除できますし、それ以外にもいくつかの要件に該当した場合は契約を無効とすることが可能な法律もあります。
もしご家族や知り合いがこういったトラブルに巻き込まれてしまった場合は諦めずに、こうした制度を調べてみて下さい。
③解約に違約金がかかると言われる
「契約の解除には応じるが違約金がかかる」と、事前に聞かされていない違約金を求めてくる業者も居ます。
お客さんも一度契約手続きをした手前、解約する事に負い目を感じてしまって言われるがまま違約金を支払うケースが実際に発生しています。
しかし、こうした違約金の請求は違法な場合が多いです。
もし契約解除の際に、
- 聞かされていない違約金の支払いを求められた
- 異常に高額な違約金を求められた
という場合はすぐに支払わず、本当に正当な違約金請求であるのか確認し、話し合って解決することが大切です。
④工事中に様々な追加料金
最初は安い見積もりを提示してきたのに、実際に工事を始めると「追加工事が必要だ」と言われ、最終的に非常に高額な工事代金を支払わされるというトラブルも発生しています。
このケースの厄介な所が、本当に追加工事が必要なのか一般の方では判断できない点です。
ですから実際にその場に遭遇すると、
プロがそう判断するなら、それが正しいのかもしれない
と思わされてしまうのです。
しかし、実際には追加工事が必要ではないのにも関わらず追加代金を支払っているお客さんもいて、これは非常に怖い問題です。
もし、
- 当初の工事金額と比較して明らかに追加工事の代金が高額な場合
- 急に追加工事の話をされて怪しいと感じた場合
などは工事を一時中断し、他の業者に見てもらうというのも手です。
⑤契約書や保証書が渡されない
訪問販売業者の多くは契約書や保証書の発行を行わないことが多いです。
しかしそれでは工事後にトラブルがあった場合に対応して貰えない可能性があり危険です。
また、訪問業者は基本的には営業で、職人ではありません。
そのため見積りの項目が適当に作成されていたり、詳細に記載されていない事があります。
こうなると「どこからどこまでをどういった工事で直してしてくれるのか」が分かりません。
こうした書類の不備によるトラブルも多く、工事後に問題となるケースが多いです。
契約の際には書類に不足が無いのか、どういった工事になるのかという事に関しては口頭での説明はもちろんですが、書類でしっかり残すようにして貰いましょう。
屋根修理の飛び込み訪問営業の断り方!
もし突然あなたの家に屋根修理の訪問業者が来た場合はどう対処すればいいのでしょうか?
ここからは実際に訪問営業が来た際の断り方についてご紹介します!
はっきりと「やらない」と伝える
まず一番効果的なのははっきりと工事をやらない事を訪問業者に伝えるという事です。
訪問業者はお金になる方を探して住宅街中を歩きまわっています。彼らはすべからく儲けたいわけです。
ですから、お金にならない方やクレームになりそうな方はターゲットにしません。
- 「御社に屋根の修理は依頼しないのでお引き取り下さい」
- 「工事をする場合は自分で業者を探しますので結構です」
このように一切余地なく断ることで業者も返っていく事が想定されます。
家が借り家であると伝える
もしもはっきりと断るのが苦手だという方は、家が自分の所有ではない事を伝えるのもオススメです。
家が借り家という事はその家を勝手に直すことができないという事です。
訪問業者からすれば契約までに大家さんに連絡するなどの非常に面倒な手続きを踏まないといけないという事になります。
こんな面倒な手続きをするのであれば他の家に訪問営業を掛けたい
というのが訪問業者の心理です。非常に有効な方法なのでオススメですよ。
家族がいるときに来てほしいと伝える
もししつこくて帰ってくれなそうな場合、または一人では言いくるめられてしまいそうな場合。
そんな時は家族がいる時に来てくれと伝えるのも良いです。
訪問業者と契約してしまう方のほとんどが、訪問業者を良い人だと思ってしまっています。
これは訪問業者の会話の技術が高く、会話の中で誘導されてしまった結果です。
ですから一対一の状況を作らずに、誰かがいる状態で冷静に話を聞くというのもいい方法です。
また、適当な訪問業者は次回来ないという事も多いので、一度ふるいに掛ける事もできる利点があります。
屋根修理の訪問業者が来た時に徹底するべきこと
実際に屋根修理の訪問業者が来た場合には下記の三点を徹底しましょう。
後々のトラブルを防ぐことができますし、万が一何かあった場合の証拠にもなります。
- 絶対に屋根の上には登らせない…屋根を壊されるトラブルを防ぐことができる
- 名刺などの身分が分かるものをもらう…身分や所属を確認できるので、実際にそういった団体があるのか確認できる。クーリングオフ制度を利用する際にも重要。また、詐欺業者として摘発されていないかなどの確認にも利用できる。
- その場で契約を行わない…冷静な状態ではない可能性があるので、絶対にその場での契約は行わない。
訪問業者はこちらが必要かどうかに関係なく突然やってきますから、このような対策や対応について予習して覚えておくことが大切です。
ぜひ周りの方にも教えてあげて下さい。
もしも契約をしてしまった場合はクーリングオフを使う
もし万が一契約を結んでしまった場合や、ご家族が契約を結んだ後に相談してきた場合など。
この場合はクーリングオフ制度を利用しましょう。
クーリングオフ制度とは、主に訪問販売などで締結した契約や購入したものなどを無条件で契約の前に遡ってキャンセルできる制度です。
クーリングオフできる期間 | 書類の交付から8日間 |
クーリングオフできる条件 | 期間内であれば無条件で可能 |
クーリングオフのやり方 | ハガキに書いて投函するだけ ※ハガキは届いてないという言い逃れをさせないために、簡易書留やレターパックを利用するのも有効。 |
クーリングオフできる期間 | 1.適切な説明や正しい書面の交付が行われていない場合は8日間を過ぎていてもクーリングオフ可能。 2.訪問販売でクーリングオフ対象外となるケースはない。 3.工事着工後であってもクーリングオフは可能。 |
よく誤解でクーリングオフできないと思ってしまって手続きを行わない方がいますが、これは損する可能性が高いです。
とにかくキャンセルしたいと思ったらクーリングオフのハガキをまず投函して、その後消費者センターなどに相談を行いましょう。※とても大切です。
また、クーリングオフの対象外だったとしても民法による契約解除や代金の減額が可能な場合も沢山あります。
この事を知らずに訪問業者に言われるがまま工事代金を支払ってしまうのは非常に勿体ないです。
少しでも怪しい、納得できないと感じた場合はお近くの消費者センターに相談を行いましょう。
少しでも皆さんのトラブルの解決に繋がれば幸いです。
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