- なぜ屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行う方が良いの?
- 屋根カバー工法と外壁塗装をしたときの費用の相場はどれくらい?
- 同時に工事を行うと、どういう流れで施工するの?
このようなお悩みを抱えている方のために、屋根カバー工法と外壁塗装をした場合の費用について解説していきます。
「屋根工事を検討している方は外壁工事も一緒に行うのがオススメ」とよく目にする方も多いのではないでしょうか。しかし、一緒に工事を行った場合の費用の相場が見積もりと違っていないか気になる方もいると思います。
この記事を読んで、屋根カバー工法と外壁塗装をした場合の適切な金額相場について知っていきましょう。
屋根カバー工法と外壁塗装をした場合の費用相場
屋根修理と外壁塗装を同時に行うのがオススメですが、具体的な費用相場が分からない方も多いはず。屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行った場合の費用の相場はどれくらいなのでしょうか。
30坪の建物に屋根カバー工法と外壁塗装をした場合の相場は約125万~160万円となっています。
以下の表は、
- 建物面積が30坪
- 屋根の面積が50㎡
- 外壁の面積が150㎡
と仮定した場合の施工にかかる費用の相場です。
足場費用 | 15万円~20万円 |
屋根カバー工法(ガルバリウム鋼板使用の場合) | 70万円~90万円 |
外壁塗装(シリコン塗料使用の場合) | 40万円~50万円 |
合計 | 125万~160万円 |
どちらの工事も使用する屋根材や塗料の種類、工事を行う面積、特に外壁塗装は色数によっても施工費用は変化します。
注意点として、外壁塗装では同じ坪数であっても塗装面積が異なる場合があるのであくまで参考としてみてください。
屋根カバー工法で使用される屋根材と塗料ごとの相場
屋根カバー工法で使用される屋根材と外壁塗装で使用される塗料の相場はどれくらいなのでしょうか。
屋根材と塗料について、それぞれ詳しくみていきましょう。
①屋根カバー工法で使用される屋根材の相場
屋根カバー工法で使用される屋根材の種類には、
- 金属屋根(ガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板など)
- アスファルトシングル
- 一部の軽量瓦(ルーガ雅など)
があります。
軽量瓦では㎡あたりの単価が最も高い傾向にあり、アスファルトシングルでは最も㎡単価が安い傾向にあります。
特に金属屋根の場合、使用されている鋼板によって㎡あたりの単価が変化します。
屋根材によって㎡あたりの単価が異なるので、重視する点やお住まいの地域によって使用する屋根材を選ぶと良いでしょう。
屋根材ごとの㎡あたりの単価や修理費用の相場を下の表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
素材 | 代表的な屋根材名 | ㎡あたりの単価 | 修理費用 |
金属屋根(エスジーエル鋼板) | スーパーガルテクト | 6,000円~8,000円程度 | 約100万円~200万円程度 |
金属屋根(ガルバリウム鋼板) | ・横暖ルーフ ・ヒランビー など | 7,000円~8,000円程度 | 約75~105万円程度 |
金属屋根(ジンカリウム鋼板) | ・ディーズルーフィング ・スカイメタルルーフ など | 8,000円~14,000円程度 | 約75~105万円程度 |
アスファルトシングル | ・オークリッジスーパー ・リッジウェイ など | 5,000円~8,000円程度 | 約60万円~80万円程度 |
軽量瓦 | ルーガ 雅 など | 9,000円~20,000円程度 | 約80万円~120万円程度 |
②外壁塗装で使用される塗料の相場
主に外壁塗装で使用される塗料の種類には、
- ウレタン塗料
- アクリル塗料
- シリコン塗料
- ラジカル制御型塗料
- フッ素塗料
- 光触媒塗料
- 無機塗料
があります。
現在最も使用されているシリコン塗料の㎡あたりの単価は1,800円~3,000円程度で、ラジカル制御型塗料と相場は同程度となっています。
㎡あたりの単価が最も高い無機塗料では4,000円~5,500円程度となっており、塗料の種類によって修理費用の相場が大きく異なることが分かります。
また、外壁塗装は付帯物の塗装も一緒に行うことが多いです。
外壁の付帯物とは、
- シャッターボックス
- 雨戸
- 雨樋
- 破風板
などのことをいいます。
塗装を行う付帯物が多い場合も、修理費用が相場よりも高くなるケースがあるので注意が必要です。
外壁塗装で使用される塗料の相場をわかりやすく表にまとめたので、参考にしてみてください。
塗料 | 代表的な塗料名 | ㎡あたりの単価 | 修理費用(30坪の場合) |
ウレタン塗料 | ・水性ファインウレタン ・セラMレタン など | 1,000円~2,000円程度 | 約60万円~80万円程度 |
アクリル塗料 | ・オーデグロス ・アレスアクアグロス など | 1,400円~2,500円程度 | 約50万円~70万円程度 |
シリコン塗料 | ・ファインシリコンフレッシュ ・プレミアムシリコン など | 1,800円~3,000円程度 | 約75万円~100万円程度 |
ラジカル制御型塗料 | ・パーフェクトトップ ・アレスダイナミックTOP など | 2,000円~3,000円程度 | 約80万円~100万円程度 |
フッ素塗料 | ・サーモアイ4F ・ファイン4Fベスト など | 3,000円~4,500円程度 | 約90万円~110万円程度 |
光触媒塗料 | ピュアコートANプラス | 3,500円~5,000円程度 | 約100万~135万円程度 |
無機塗料 | ・ダイヤモンドコート ・セラミタイトペイント など | 4,000円~5,500円程度 | 約110万円~160万円程度 |
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行うメリット
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行うメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
同時に工事を行うメリットとして、
- 足場費用の節約
- 外観の統一感を出しやすい
- 工事に関する手間の削減
などがあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
①足場費用の節約
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行う大きなメリットは、足場費用の節約ができることです。
足場費用は一般的な戸建て住宅の場合、15万~25万円程度かかります。
屋根カバー工法と外壁塗装を別の機会に行うと、それぞれの工事で足場の組み立てが必要になります。しかし、工事を同時に行うことで、足場を2回組む必要がありません。
外装工事を行うには必ず足場が必要になりますが、同時に工事を行うことで1回分の足場費用が節約できるのはとても嬉しいですね。
②外観の統一感を出しやすい
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行うことで、外観の統一感を出しやすいこともメリットです。
「同時に工事をするなら、屋根カバー工法で使用する屋根材の色と塗料の色は統一感が欲しい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
屋根カバー工法と外壁塗装をそれぞれ行った場合、別の業者に依頼すると屋根と外壁のデザインを調和させるのに苦労することが多いのも事実です。
同時に工事を行うことで、
- 使用する塗料の色
- デザイン
を建物全体のバランスを考えながら決めることができます。
違和感の残らない外観のデザインを行いやく、外観の見た目を一気に変えることもできるのでオススメです。
③工事に関する手間の削減
工事に関する手間の削減ができるのも、同時に工事を行うメリットです。
それぞれ別の機会に工事を行う場合と比べて、同時に工事を行うと打ち合わせの手間や工事の調整などの負担を減らすことができます。
また、同時に工事を行うことでご近所へのあいさつなどの手間が一度で済み、工事を行うと発生する騒音によるストレスも減らすことができます。
意外と工事に関する手間や負担は多いので、手間や負担を減らしたい方は屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行うのがオススメです。
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行うデメリット
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行うデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
同時に工事を行うデメリットには、
- 工期が長くなる
- まとまった費用が必要
などがあります。
では、詳しく解説していきます。
①工期が長くなる
屋根カバー工事と外壁塗装を同時に行うことで、工期が長くなります。
同時に工事を行う場合、屋根カバー工法を行ってから外壁塗装を行うことが多いです。屋根カバー工法を行っている間に外壁塗装を行うわけではないので、別々に工事を行うより工期が長くなるのです。
別々で工事を行うと工事にかかる日数は屋根カバー工事では約10日、外壁塗装では7~10日かかります。しかし同時に工事を行うと、20日程度の工期が必要になります。
同時に工事を行うと足場の組み立てや解体にかかる日数は減らせますが、続けて工事をするため別々に工事を行うより工期は長くなるので注意が必要でしょう。
②まとまった費用が必要
まとまった費用が必要になることもデメリットとしてあります。というのも、別々で工事を行う場合よりも一度に支払う金額が高くなる可能性があるためです。
同時に工事を行うことで足場費用や諸経費の削減は可能であることが多いです。
ですが屋根工事単体で行う場合より、屋根工事と外壁工事を同時に工事を行う場合の方が20~40万円ほど金額が高くなります。
屋根カバー工法のみの場合と比べると1回の支払い金額が高くなるため、まとまった費用が必要になる点には注意しましょう。
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行うときの注意点
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行うときの注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。
同時に工事を行う注意点として、
- 補助金の申請に対応している業者を選ぶ
- 屋根工事と外壁工事の両方に実績がある業者を選ぶ
があります。
①補助金の申請に対応している業者を選ぶ
補助金を利用した工事を行いたい場合は、補助金の申請に対応している業者を選ぶことが重要です。
国や自治体の補助金を利用するには、申請書類や施工後の報告書の作成が必要となります。
ですが補助金の申請になれていない業者の場合、申請書類や報告書の不備が原因で補助金の利用ができない場合があります。補助金の申請に対応している業者であれば、書類の不備などで申請が通らない可能性を減らすことができます。
補助金の利用を考えている方は申請に対応している業者を選ぶと安心でしょう。
②屋根工事と外壁工事の両方に実績がある業者を選ぶ
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行う場合、屋根工事と外壁工事の両方に実績がある業者を選ぶことが重要です。
修理を行う業者には大きく分けて、
- 屋根工事専門の業者
- 塗装工事専門の業者
- 幅広い工事を行うリフォーム業者
の3つがあります。
屋根工事と外壁工事を同時に行うので、どちらの工事にも対応できる業者である必要があります。
しかし、業者によっては屋根工事と外壁工事のどちらにも実績はあるが、塗装工事が得意で屋根カバー工法の実績は少ないというようなケースもあるでしょう。
屋根カバー工法と外壁塗装のどちらの実績も豊富な業者を選ぶと安心できますよ。
屋根カバー工法と外壁塗装の施工の流れ
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行う場合、どのような流れで施工を行うのでしょうか。
手順を12工程に分けて詳しく解説していきます。
屋根や外壁の工事を行うには必ず足場を設置します。
今回は屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行うので、同じ足場を使用することができます。同じ足場を使用できるので施工費用を抑えることができ、工事期間の短縮につなげることができます。
初めに屋根カバー工法から始めます。
屋根についている棟板金や雪止めを撤去して屋根を完全にフラットな状態にしていきます。フラットな状態でないと新しい防水シートを敷き詰めることができないので、必ず行っていきます。
軒先から棟にかけて防水シートを敷き詰めていきます。
屋根カバー工法を行う上で防水シートを新しくすることが最も重要です。防水シートは雨水から屋根の下地を守る砦のような役割をしています。
そのため、防水シートは高品質なものを選んで屋根カバー工法を行うことが大切です。
軒先やケラバに板金を設置していきます。
この板金は雨水を雨樋に送る役割や、屋根材が風で飛ばされないようにする役割があります。板金の設置の順番が違うことで雨漏りの原因になることもあるので注意が必要です。
新しい屋根材も防水シートと同様に軒先から葺いていきます。
雨水が上から流れてきたときに入り込まないようにするため、軒先から葺いていきます。雨水が上から下にきちんと流れることを常に考えることが屋根工事の基本です。
新しい屋根材を葺いたら、棟板金や雪止めなどを設置していきます。
屋根を葺いただけでは棟の部分や屋根材の端などに隙間があり、棟板金などを設置することで屋根の角や端からの雨水が入り込むのを防いでくれます。
棟板金などが設置できたら屋根カバー工法は完了となり、外壁塗装工事を行います。
外壁塗装を行う前に高圧洗浄を行います。
外壁についている汚れや古い塗膜を洗い流すことで、新しく塗る塗料の密着を良くする重要な作業です。高圧洗浄を行わないと、長期間もつはずの塗料が数年ではがれたなどの原因にもつながるため必ず行ってもらいましょう。
高圧洗浄を行った後は、下地処理をしていきます。
下地処理とは、外壁に起きているひび割れやサビなどの劣化部分を補修することです。
下地処理を適切に行うことで塗装の仕上がりが良くなり、塗料本来がもつ性能を発揮させることができます。
下塗りを行います。
塗装は下塗り、中塗り、上塗りの順で塗料を塗り重ねていきます。
下塗りは、外壁の下地と仕上げの中塗り・上塗りを密着させるために行う重要な作業です。均一な厚みになるように、丁寧な作業が求められます。
下塗りを行って塗料が乾いてから中塗りを行います。
もし塗料が乾く前に中塗りを行うと、ちぢみやひび割れなどの原因にもなります。
中塗りを行うことで凹凸のない滑らかな下地を作ることができ、上塗りの仕上げ効果を高めることができますよ。
中塗りした塗料が乾いてから上塗りを行います。
上塗りを行うことで外壁の厚さが増し、耐久性を高めることができます。
もし上塗りをしないと塗料の厚みが不足するため、期待できる耐用年数よりも早く塗膜が劣化する可能性が高くなります。
上塗りは外壁を守る上で最も重要な作業といえますね。
外壁塗装が完了したら施工した箇所の検査を行い、仕上がりの状態などを確認します。
もし塗り残しなどの手直しがある場合は、足場を解体する前に行います。
検査が終了したら足場を解体して施工は終了です。
一都三県の屋根修理業者一覧
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行う場合の費用相場を調べた人にオススメしたい記事一覧
屋根カバー工法の費用相場
屋根カバー工法にかかる修理費用の相場は80万円〜150万円となっています。
屋根の大きさや形状、屋根材のグレードによって金額は変化しますが、ほとんどがこの金額の間で納まります。
屋根カバー工法の費用について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
屋根カバー工法の耐用年数
屋根カバー工法の耐用年数は約20年〜30年です。
葺き替え工事であっても屋根カバー工法と同様の耐用年数ですが、使用する屋根材やメンテナンスの頻度などによって変化します。
適切な頻度でメンテナンスを行うことで屋根材を長持ちさせることができ、不具合を早期に発見することで補修費用を抑える事にもつながります。
屋根カバー工法ができる屋根材とできない屋根材
屋根カバー工法ができる屋根材には、金属屋根やアスファルトシングル屋根、スレート屋根があります。
これらの屋根材は、凹凸が少なく屋根材自体も軽いため屋根カバー工法ができる屋根とされています。
反対に屋根カバー工法ができない屋根材は、瓦です。
瓦は波立っている形状と建物が屋根の重さに耐えられないため、屋根カバー工法には適していない屋根材とされています。
屋根カバー工法のメリットとデメリット
屋根カバー工法のメリットには、屋根の断熱性、防音性、防水性の向上があります。
新しい屋根材を被せるため断熱性が高くなり、室内の冷暖房効率が上がります。
反対に屋根カバー工法のデメリットには、屋根の重量が増えるがあります。
屋根カバー工法は既存の屋根に新しい屋根材を被せるため、軽い屋根材を使用しても屋根の重量は増えます。
そのため、屋根が重くなるほど建物への負荷が大きくなり耐震性の低下にもつながります。
屋根カバー工法と葺き替え工事はどちらがオススメ?
屋根カバー工法と葺き替え工事は、屋根カバー工法ができる方は基本的に屋根カバー工法がオススメです。
屋根カバー工法ができる方とは
- 屋根カバー工法を行ったことがない
- 屋根の下地が劣化していない
などの条件に当てはまる方です。
屋根カバー工法は葺き替え工事よりも施工費用を抑えることができ、屋根の断熱性が上がるなどのメリットが多い施工方法です。
より詳しく知りたい方は以下の記事を読んでみてください。
屋根カバー工法に火災保険は適用されるのか
結論から言うと、条件を満たせば火災保険を利用して屋根カバー工法を行うことができます。
火災保険が適用される条件には
- 風災、雪災、雹災などの自然災害として認定される
- 自然災害による被害を受けてから3年以内である
があります。
しかし屋根カバー工法の工法上、火災保険が適用されない可能性が高いのも事実です。
被害を受けた範囲が広範囲であれば屋根カバー工法に火災保険を適用されやすいですが、被害を受けた範囲が狭い場合は適用されにくくなります。
屋根カバー工法に火災保険は適用されるのかもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
後悔しない屋根カバー工法をするポイント
屋根カバー工法で後悔しないためのポイントには、
- 屋根の下地の状態を確認
- 太陽光パネルを設置している場合はよく確認
- 外壁工事も同時に行う
などが挙げられます。
この中で特に重要なのが、屋根の下地の状態を確認してから施工することです。屋根の下地が傷んでいない状態で屋根カバー工法を行うことで、強風などで屋根材がはがれるなどのトラブルを防ぎやすくなります。
以下の記事では、屋根カバー工法でよくある失敗も解説しているので参考にしてみてください。
屋根カバー工法で雨漏りは直せるのか
結論、屋根カバー工法で雨漏りを直すことができます。
屋根から起きる雨漏りの原因には、
- 屋根材の劣化
- 屋根材の下の防水シートの劣化
- 棟瓦や棟板金の劣化や破損
などがあります。
屋根カバー工法は既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せます。劣化した屋根材を新しくすることができるので、雨漏りを直すことができます。
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